
調剤薬(コンパウンド薬)とは
「既製品では届かない、その一歩先の治療へ。」
コンパウンド薬は、患者(動物)一人ひとりの体重、体質、そして嗜好に合わせて、薬剤師が個別に調合するオーダーメイドの治療薬です。
アメリカの獣医療現場では、治療の質とコンプライアンスを高めるための「欠かせない選択肢」として広く普及しています。myumedicaは、日本の獣医師様がこの高度な選択肢をスムーズに導入できるよう、アメリカの専門調剤薬局との架け橋となります。
動物医療におけるコンパウンド薬の必要性
動物医療では、多種多様な種や体重、そして繊細な味覚に対応しなければなりません。
既製品(製薬会社のパッケージ品)だけでは解決できない課題を、コンパウンド薬が解決します。

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正確な用量調節: 超小型犬から大型犬、エキゾチックアニマルまで、体重に合わせて0.1mg単位での精密な用量設定が可能です。
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剤形の変更: 錠剤を嫌がる猫に「経皮吸収型ジェル(耳に塗るタイプ)」を、大型犬には「フレーバー付きのチュアブル」を。投与ストレスを劇的に軽減します。
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アレルゲンの排除: 食物アレルギーを持つ個体のために、特定の成分(乳糖、グルテン、特定のタンパク源など)を除去した調剤が可能です。
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入手困難な薬剤の確保: 製造中止になった薬剤や、日本国内で未承認の有効成分を用いた治療をサポートします。
獣医師様にとってのメリット
コンパウンド薬の導入は、治療成績、病院の運営効率の向上だけでなく、飼い主様の満足度にも直結します。

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コンプライアンスの向上: 「薬を飲ませられない」という飼い主様の悩みを、嗜好性の高いフレーバーや剤形変更で解消。確実な投薬を可能にします。
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治療の個別化(パーソナライズド・メディシン): 既存の製品に患者を合わせるのではなく、患者に合わせた最適な処方を設計できます。
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付加価値の提供: 高度で専門的な治療選択肢を提供することで、病院としての信頼性と差別化につながります。
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「医療」に集中できる環境を構築:調剤済みの薬を導入することで、病院内での煩雑な調剤時間から解放され、医療スタッフは本来の医療業務に専念できます。
品質と安全性へのこだわり
myumedicaが提携するのは、アメリカ国内で厳格な基準をクリアした、最高水準の設備を持つ動物専用の調剤薬局です。

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USP(米国薬局方)準拠: 薬剤の安定性と有効性を担保するため、USP <795>(非無菌製剤)および <797>(無菌製剤)の基準を厳守して調剤されています。
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高度な専門知識: 獣医領域に特化した薬剤師が、最新の知見に基づいて調合を行います。
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徹底した品質管理: 成分の均一性や保存安定性について、厳密な検査プロセスを経た薬剤のみをお届けします。
形状(剤形)の種類と特徴
各剤形の特徴と、どのような症例に適しているかをまとめました。処方の際のガイドラインとしてご活用ください。
カプセル
(Capsule)
薬剤の粉末をゼラチン等の殻に封入。味や匂いが強い薬剤を遮断するのに最適。
食べ物に混ぜて飲み込める、または喉の奥への直接投薬に慣れている症例。
無水経口懸濁液
(Oral Suspension - Anhydrous)
水を含まないオイルベース等の液体薬。加水分解しやすい薬剤の安定性と保存性を高めています。
固形物の服用を拒否する症例。シリンジを用いて口角から容易に投与したい場合。
ソフトチュアブル
(Chew Treat)
キャラメルのような柔らかい質感。チキン、ビーフ、魚などのフレーバーを付加可能。
投薬を「おやつ」として喜んで受け入れてほしい症例。投薬ストレスを最小限にしたい場合。
錠剤
(Tablet)
一般的な固形錠剤。
チュアブル(おやつタイプ)を好まない個体や、規定量を確実に管理したい場合。
低アレルゲン・チュアブル (HYPO base)
動物性タンパク質(ビーフ・チキン等)を含まず、マシュマロやヤム芋等の低アレルゲン素材を使用。
食物アレルギーがあり、通常のフレーバー付きチュアブルが使用できない症例。
マイクロ・スコア錠
(Micro-scored Tablet)
非常に小さな錠剤。十字の溝(4分割用スコア)により、正確に1/4ずつの割線分割が可能。
微量な用量調節が必要な症例や、大きな錠剤の服用が困難な小型犬・猫。
経皮吸収ペン
(Transdermal Gel)
専用のダイヤル式容器(クリッカー)で正確な用量を抽出。
耳介の内側等に塗布するだけで血中へ移行。消化管を通過しないため、胃腸への負担も軽減。
経口投薬が極めて困難な個体(特に猫)、嚥下障害、重度の嘔吐を伴う症例。
使用期限(BUD:Beyond-Use Date)の目安
コンパウンド薬は、個別の処方に基づいて調剤されるため、一般的な製薬会社の既製品とは使用期限が異なります。アメリカの調剤基準(USP)に基づき、薬剤の安定性が保たれる期間として設定されています。
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経口液体製剤:約60日〜90日間
(水を含まない無水懸濁液などは安定性が高い傾向にありますが、液体タイプが最も期限が短くなります) -
その他の剤形(チュアブル、錠剤、カプセル等):約90日〜180日間
(フレーバー付きのチュアブルを含め、固形製剤は比較的長期間の安定性が確保されています)

※具体的な期限は、使用される有効成分の性質や調剤方法により、個々のラベルに明記されます。治療計画を立てる際の目安としてご確認ください。
獣医師様へ:最適な選択のために
「この薬剤をこの剤形にできるか?」「特定の味を避けたい」といった細かなご要望にも対応可能です。
アメリカの専門薬剤師が、最新の調剤技術(Compounding Art)を駆使して、先生方の治療方針をサポートいたします。
剤形の選択やお探しの薬品についてご不明な点がございましたら、お気軽に myumedica までお問い合わせください。
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